先に行われた「インターペット2017」にも出展されていたウィッシュシリーズ |
dogplus.meはいろいろなプレミアムフードを紹介するけれど、登場するフードは基本的にどこか類まれな特徴を備えた“パンチの効いた”製品であることが多い。「これなら紹介しても(=皆さんに買ってもらっても)問題ないな」と思えるものだけをピックアップしているので、必然的にそれなりの(結構な)レベルをキープしている、どこかに分かりやすい特徴を持った製品を紹介することが多いわけだが、今回紹介する「ウィッシュ」シリーズはその路線とはちょっと違う。
「ウィッシュ」シリーズは、「ホリスティックレセピー」で名の知れた、株式会社パーパスの製品だ。ベニソン、ターキー、サーモンという、タンパク質ごとに分かれた3種の製品+パピー用1製品の、合計4種類。
原材料一覧を見ると、「とても普通」であることが見てとれる。「生肉」や「有機野菜」こそ使われていないが、動物性/植物性のタンパク質、脂質、繊維質、ミネラルなどがバランスよく入っており、エクストルーダー製造のためと思われるが、ビタミン/ミネラルも補強されている。
しかしなにより“乳酸菌”を筆頭とした菌類が5種も使われているのが、ウィッシュシリーズの大きな特徴だ。共通して使われている菌類は、以下の5種。
・乾燥エンテロコッカスフェシウム(乳酸菌:モッツァレラチーズで使われている)
・乾燥ラクトバチルスアシドフィルス(乳酸菌:乳酸菌飲料に多く使われている)
・乾燥アスペルギルスニガー(麹菌:焼酎で使われている)
・乾燥トリコデルマ・ロンギブラキアタム(カビの一種)
・乾燥バチルスサブチルス(乳酸菌:納豆に使われている)
それぞれの内容についてはリンク先を読んでいただきたいが、体内に摂取されたときに、それぞれがとても重要な役割を担っている。昔、犬の栄養に詳しい人から「ドッグフードは菌類が入っていないものはイマイチ信用できない」と聞いたことがある。むろん入ってればいいのだ、というわけではないだろうが、大きなアドバンテージではあるだろう。
パーパス公式サイト
ウィッシュシリーズ紹介ページ(dogplus.me内)
キブル形状は極めてノーマル。小型犬でも食べやすい大きさだ。当たり前だが着色料なども使っていない |
それぞれの製品の原材料は、基本的には製品名に使われているタンパク源+えんどう豆をメインに構成されている(えんどう豆は大豆より消化がよくタンパク質利用効率が高いのだ)。突飛な原材料は使われていないがグレインフリーなので、小麦アレルギーなどを抱えている犬にとってはありがたい製品だろう。タンパク源が3種揃っているので、ローテーションで使うにも最適だし、「チキン」のフードがないので(つまり「ベニソン」と「サーモン」にはチキンも小麦も入っていないのだ)アレルギー対応フードとしても使える。※
※チキンとターキーは交差反応を起こすことがあるので、チキンアレルギーの犬はターキーは食べないほうがよい
そしてこの製品、お店で並んでいるのを手に取ると分かるのだが「単なる袋」でしかなく、マジックチャックもなく、手に取るとちょっと頼りない印象だ。「え、なにこれ」と思ったのだが、実はこれ、全部中身が小袋に分かれてパッケージングされているため。
18.1kgのパッケージはたぶんブリーダー用だろうからそれは置いておくとして、そのほかのパッケージ(720g、1.8kg、5.4kg)については、それぞれ120g×6袋、300g×6袋、450g×12袋という内容になっている。
フードにこだわる人であれば、保存料がバリバリ使われているフードはおそらく買わないだろう。ということは、とくにこれからの季節は酸化による痛みが怖い。でも場所もないしフードストッカーを置いてまではなぁ……と考えて、「まぁたぶん大丈夫だろう」という根拠のない自信で愛犬に与えている人も多いのでは。
売られているドライのドッグフードは、BHAこそ使われてなくても、ミックストコフェロールやローズマリー抽出物、クエン酸などの“保存料”が使われていることは多いので、たいがいの場合はまぁ大丈夫だとは思うが、それでもやっぱり小分けになっている安心感は大きい。
例えば「ウィッシュ ターキー」を例にとると、5kgの小型犬は「1日あたり105g」と書いてあるので、720gパッケージを買えば1日でほぼ小袋1袋、1.8kgパッケージを買えば1日で小袋1/3袋……と管理も容易だ。犬連れ旅行のときはもちろん、ペットホテルなどに預けるときも運びやすい。もちろんそのぶんのコストが製品には乗っかっているわけだが、そこは利便性とのバーターなので、価値を感じる人であれば、ぜひ。
ほかと明確に差別化が図れるような豪華絢爛な原材料は使われていないが、基本に忠実で誠実な作り。地面を歩く犬も興味を引かれるというものだ |